乳がんでは治療方法を決めるために進行度である病期(ステージ)のほか、がん細胞の性質、そして薬物療法の時に患者さんに適した薬を選ぶためのサブタイプ分類を確認します。

乳がんの病期(ステージ分類)

乳がんのステージは、がんが乳房のどこまで広がっているか、リンパ節転移の有無、遠隔転移の有無などによって決められます。
がんの広がりはTNM分類という方法で腫瘍の部位ごとに設定されます。

乳がんの病期(ステージ)分類


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がん細胞の性質

(1)組織型

乳がんでは、がん組織の広がりによって「非浸潤がん」と「浸潤がん」に分けられます。
一般的にがん細胞が乳管の内側にとどまり、適切な治療を行えば転移や再発はほとんどない早期のがんが非浸潤がんとなります。
浸潤がんはがん細胞が乳管などを超えて周囲に広がっている状態のがんで、すでに血管やリンパ管に侵入しているため、再発や転移の危険性があるがんです。

組織型は手術後の病理検査で明らかになります。

(2)病理学的グレード分類

顕微鏡でがん細胞の顔つきをみて、病気学的に悪性度を出します。
病理学的グレード分類は核異型度と核分裂像の2つの要素で判定する「核グレード分類」と、構造異型度・核異型度・核分裂像の3つの要素で判定する「組織学的グレード分類」があります。

核グレード分類、組織学的グレード分類ともに1~3に分けられ、どちらもグレードが高くなるほど悪性度が高く、転移や再発の確率が上がります。

サブタイプ分類

乳がんには様々なタイプがあり、がんの増殖する強さや薬の反応性などが異なります。
そのため、組織診でがん細胞のタンパク質を調べて、その乳がんの持つ性質を分類します。
サブタイプ分類は薬物療法を行う際に、どの薬が適しているのかの参考に用いられます。

サブタイプ分類を決定するために、以下の3つの検査が行われます。

(1)ホルモン受容体検査

女性ホルモンと結合するタンパク質(受容体)があれば、その乳がんは女性ホルモンが増殖に関与しています。
エストロゲンとプロゲステロンという2つのホルモン受容体の有無を調べ、どちらかの受容体があればホルモン受容体陽性乳がんと判定し、薬物療法でホルモン剤が使われます。

ホルモン受容体陽性乳がんはルミナルタイプとも呼ばれます。

ルミナルタイプとは?

ホルモン受容体陽性のルミナルタイプは、乳がん全体の約8割を占める最も多いサブタイプです。
HER2が陰性でKi67も低く、がん細胞の増殖能力が低いとされる場合はルミナルA型、Ki67が高い場合とHER2陽性の場合はがん細胞の増殖能力も高いとされルミナルB型に分類されます。

(2)HER2検査

HER2タンパクというがん細胞の増殖を促すタンパク質の有無を調べます。HER2陽性の場合、ハーセプチンなど分子標的治療薬が使われます。

(3)Ki67

Ki67はがん細胞の増殖能力の指標となるタンパク質です。Ki67が高いほど、進行スピードも速く、転移や再発の可能性も高くなります。
しかし、Ki67は測定法が標準化されておらず、施設ごとに判断基準が異なるという課題も残されています。
そのため、どこからが高値でどこまでが低値なのかも定まっていませんが、0~10%:低値、11~20%:中間、21%以上:高値と分類する考えも発表されています

参考文献:第52回日本癌学会学術集会 P105-5


《乳がんのサブタイプ分類》

サブタイプ分類エストロゲン
受容体
プロゲステロン
受容体
HER2Ki67薬物療法
ルミナルA型陽性陽性陰性低いホルモン療法
ルミナルB型(HER2陰性)陽性弱陽性・陰性陰性ホルモン療法
+抗がん剤
ルミナルB型
(HER2陽性)
陽性陽性・陰性陽性低~高ホルモン療法
+分子標的薬
+抗がん剤
HER2型陰性陰性陽性低~高分子標的薬
+抗がん剤
トリプルネガティブ陰性陰性陰性低~高抗がん剤

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