食道がんの治療方法
食道がんの治療方法

食道がんでは、内視鏡的切除、手術、放射線、化学療法での治療が中心となります。
このページでは、各治療方法について紹介しております。

内視鏡的切除術

食道がんの粘膜構造
画像クリックで拡大縮小

内視鏡的切除は、食道の内側から内視鏡でがんを切除する方法です。内視鏡的切除の対象になるのは、粘膜固有層までにとどまる、ごく早期のがんです。
内視鏡的切除術には、病変粘膜を吸引もしくは鉗子でポリープ状に変形させてスネアにより切除を行う内視鏡的粘膜切除術(EMR)と、特殊な電気メスを使って広範囲の病変を一括で切除できる内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の2つの方法があります。
ESDの方が高度な技術が必要となりますが、大きな病変でも正確に切除できることから、現在ではESDが主流となっています。内視鏡的切除術には全身麻酔などを使うため、痛みはありません。内視鏡的切除後の1週間前後で退院できます。


内視鏡的粘膜切除術(EMR)

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)

手術

食道がんのステージ1以上は、基本的に手術となります。がんの発生部位(頸部、胸部、食道胃接合部)によって術式は異なります。

頸部食道がんに対する手術

咽頭や喉頭と連続している頸部食道は、喉頭合併切除が必要となる症例が多く、喉頭の温存を目指して術前に化学放射線療法を行い、腫瘍が縮小してから手術を行う場合と、手術ではなく根治的化学療法を行い、局所遺残や再発時に救済手術をするという選択がされることもあります。
頸部食道がんに対する手術の切除範囲は、がんが発生している頸部食道と周囲のリンパ節です。がんの切除後は、食道を再建するために、小腸(空腸)を切除した食道のところに移植し、空腸の血管と頸部の血管を吻合する遊離空腸再建も行われます。

胸部食道がんに対する手術

胸部食道がんでは、がんが発生している食道と周りのリンパ節を切除し、さらに切除した食道の代わりに食べ物の通り道を作るため、胃や空腸などの消化管を使って再建も行われます。
手術方法の基本は開胸手術ですが、最近では胸腔鏡下手術も普及してきています。

食道胃接合部がん(腹部食道がん)に対する手術

食道のつくり-食道胃接合部

食道と胃のつなぎ目に発生する食道胃接合部がんは、食道がんでも胃がんでもない独立した領域として分類されています。
食道胃接合部がんに対する手術は、胃がんに準じた「噴門側胃切除術+下部食道切除」か、胃全摘術+下部食道切除」、食道がんに準じた「食道切除」や「胃上部切除」などが行われてきました。
どの術式を選択するべきかは明確な決まりはなく、外科医や施設に委ねられているのが現状です。

放射線治療

放射線治療には、がんを治すことを目的とする根治照射と、痛みなどのがんによる症状を抑えるための緩和照射があります。
食道がんの放射線治療では、がんが発生している部位に高エネルギーのX線などを直接あてて治療します。

1)根治照射

根治的放射線治療では、同時に化学療法を行う化学放射線療法が推奨されています。
根治照射は、病変が局所的、あるいは領域リンパ節にとどまっている場合が適応となります。内視鏡的切除後にがんが残っている場合やリンパ節への転移が疑われる場合も(化学)放射線治療の追加が検討されます。
手術不能症例であっても全身状態が良好な時は化学放射線療法が適応となり、その後効果が得られたら手術が検討されます。全身状態が不良な場合は、放射線単独での治療が検討されることもあります。

2023年9月時点では先進医療または、臨床試験となりますが、ステージⅠの早期食道がんにおいて重粒子線や陽子線といった粒子線治療も行われています。

2)緩和照射

緩和照射はがんによる痛み、食道が狭くなることによる通過の障害などを和らげる目的で行われます。

低分子化フコイダン療法ページへのバナー

化学療法

食道がんの化学療法では、根治を目指した「集学的治療法」と「切除不能進行・再発食道がんに対する化学療法」があります。

1)集学的治療法

集学的治療とは、手術と化学療法、化学療法と放射線など様々な治療を組み合わせることで、根治を目指して行われる治療方法です。

■手術+化学療法の組み合わせ

(1)術前補助化学放射線療法
食道がんではリンパ節転移があっても、食道の近くにとどまっている場合は手術か放射線治療の局所治療が有効と考えられており、手術が推奨されています。
手術前のCT検査などでがんが深いところまで進行していたり、近くのリンパ節に転移している場合、手術前にがんを縮小させたり、画像上では写っていない微小ながんを抑える目的で化学療法を行います。これを術前補助化学療法といいます。
CT検査などで抗がん剤の治療効果を確認し、もし効果が出ていないと判断された場合は抗がん剤治療を中断して、手術に切り替えることもあります。

術前補助化学療法で使われる抗がん剤
シスプラチン+5-FU
・DCF療法(ドセタキセル+シスプラチン+5-FU

(2)術後補助化学療法
食道がんの進行度的に手術はできるが、患者さんの体調が悪い時や診断時にリンパ節転移が無いと判断された時は、先に手術を行う場合もあります。術前に治療をせずに手術を行い、病理検査の結果からリンパ節への転移が認められた場合は、術後補助化学療法が行われることがあります。

術後補助化学療法で使われる抗がん剤
シスプラチン+5-FU

■化学療法と放射線の組み合わせ(化学放射線療法)

局所進行の食道がんには、放射線単独よりも化学療法を併用した方が生存期間を延ばすことが証明されています。
手術が第一に推奨される食道がんですが、患者さんの希望や全身状態から手術を行わない場合の根治を目指した化学放射線療法はステージ0~4aまでが適応となっています。化学放射線療法の位置づけは、ステージによって異なります。

≪ステージごとの化学放射線療法の適応基準≫

ステージ0内視鏡の適応が難しい3/4周以上の周在性の食道がんに対して適応となります。
ステージ1最も推奨される治療は手術ですが、リンパ節転移があったり、がんが粘膜下層以下へ浸潤している食道がんが適応となります。
ステージ2・3ステージ2・3の患者さんに対しては、術前化学療法+手術が推奨されますが、手術を希望しない場合や体力的に手術が難しいとされる場合に適応となります。
ステージ4a手術不能だが、全身状態の良い患者さんに対して適応となります。

2)進行・再発食道がんに対する化学療法

がんから離れたリンパ節や、遠隔転移に対しては抗がん剤などを使った広い範囲の病変に効果が出る化学療法が有効となります。
食道がんでは、がんの進行程度や全身状態により単独または複数の抗がん剤を組み合わせて治療が行われます。
使われる主な抗がん剤は細胞障害性のフルオロウラシル(5-FU)、シスプラチン、ネダプラチン、ドセタキセル、パクリタキセルの他、免疫チェックポイント阻害薬のニボルマブ(オプジーボ)、イピリムマブ(ヤーボイ)、ペムブロリズマブ(キイトルーダ)も使われます。
使える薬剤の少ない食道がんでは、化学療法の治療開始前にPD-L1検査を含めたがん遺伝子パネル検査の実施も考慮されます。

≪切除不能進行食道がんの化学療法の流れ≫

お問い合わせ先

NPO法人日本統合医療推奨協会では、フコイダン療法やがん統合医療についての無料相談窓口を設置しております。
臨床に基づいた飲用方法、がん治療についてのお悩みがございましたら、お気軽にご相談下さい。

お電話が繋がらない場合は、氏名・ご連絡先・お問い合わせ内容をご入力の上info@togoiryou.comまでメール送信下さい。

資料もご用意しております。

フコイダン療法についての無料レポートをご用意しております。お電話または資料請求フォームよりご請求下さい。