痛みを長期間我慢すると、不眠や食欲低下、体の動きが制限されることによりQOLが著しく低下します。また、強い痛みがあることで、必要な検査や治療が受けられなくなることもあります。軽い痛みのうちに治療を開始すれば、十分に緩和することができます。
治療を早期に開始する為には、自分の痛みの症状を医療者に上手に伝えることが大切です。痛みには色々あり表現もとても微妙です。そのため、痛みの伝え方や表現方法を工夫する事も大切です。
言葉にして痛みを表現する
痛みを伝える一番良い方法は言葉で表現することです。痛みを医療者へきちんと伝えるためにも、以下の項目をご自身で整理しておきましょう。
いつから? | 痛みは一日中あるか、いつ頃から痛いのか、たいていは良いけれど時々急に痛くなる等… |
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どこが? | どこが痛いか、一ヶ所なのか広範囲なのか、痛む場所はいつも同じなのか |
どんな風に? | 鋭い痛みか鈍い痛みか、ビリビリ、ジンジン、ズキズキ、しびれた感じ、ヒリヒリ、キリキリ、締め付けられる感じ等… |
どのような時に? | トイレやお風呂の時に辛い、夜寝る時に眠れない、食事を食べれない、体を動かすことができない等… |
どのくらい? | これまでに感じたもっとも強い痛みを「10点」、全く痛みがない状態を「0点」とすると、今回の痛みは何点ぐらいか? |
フェイススケール
フェイススケールとは、患者さんと医療者が痛みの強さについて、表情で分かりやすく、簡易的に計測する方法です。高齢の方や、子どもに対して用いられることが多くあります。
本人にしかわからない痛みを言葉や表情で表現して伝えることで、医療者も状況を共有することができます。また、痛みが「日常生活にどのような影響を与え、どんな風に困っているのか」、「痛みに対する自分なりの対処方法と、その効果はどうなのか」を表現することも、鎮痛治療をするにあたり大切な要素となります。
普段から、痛みの日記を付けることも、医療者に伝えやすくなります。