第55回 成人病公開講座 府立成人病センター

成人病センター公開講座「もっと知りたい 乳がん」

2月14日、成人病センターの公開講座「もっと知りたい 乳がん」に参加して参りました。

当日は雨の中、多くの方が参加されていました。約8割は女性の方で、関心の高さが感じられました。プログラムは、「乳がん検診の現状」、「乳がん手術の今とこれから」、「乳がんに対するセンチネルリンパ節生検」、「転移、再発乳がんの化学療法」でした。

乳がん検診の現状

日本の、乳がん検診受診率の現状は20.3%とイギリス(73.8%)やアメリカ(51%)と比較するとかなり低い数字です。イギリス、アメリカでの乳がん死亡率は年々減少していますが、日本、韓国は上昇しています。厚生労働省の乳がん検診のための指針では、40歳~49歳は、視触診とマンモ2方向撮影を2年に1回、50歳以上は、視触診とマンモ1方向撮影を2年に1回が推奨されています。

 

乳がん手術の今とこれから

乳がんの手術はここ10年で、劇的に進歩しています。従来、乳房全摘手術が標準治療と考えられ選択の余地がありませんでした。近年、個人の希望や合併症など多くの問題があった全摘術から乳房温存や再建の手術が次々と確立され、また術前化学療法も確立され腫瘍を小さくしてからの切除も可能となり選択肢が増えています。新たな潮流として乳房部分切除術対側乳房縮小術も行われ、再建術も進歩しています。

乳がんに対するセンチネルリンパ節生検

20年前は、乳房全摘と腋窩リンパ全摘は選択の余地がない手術でした。
腋窩リンパ全摘は再発を防ぐことができるとして長年推奨されていました。しかし、臨床試験の結果、再発を防げないことが証明されました。もともと腋窩リンパ節郭清の合併症は腕の浮腫や運動障害、疼痛、知覚異常など多くの問題がありました。近年、研究や臨床が進みセンチネルリンパ節生検の技術も向上し医療用放射性薬品を使い、99%の正診率になっています。放射線薬品の安全性も半減期は6時間と短く数日で放射能はなくなります。

センチネルリンパ節に転移がなければ、他のリンパ節にも転移はなく、リンパ節全摘は不要で、術後の合併症も殆どがなくなりました。最近では造影CTや造影MRIによるセンチネルリンパ節転移診断も可能になり、今後はセンチネルリンパ節生検も不要になります。

転移、再発乳がんの化学療法

転移、再発乳がんの化学療法は内分泌療法(ホルモン療法)殺細胞療法(抗がん剤)分子標的療法(分子標的薬)の3本柱で治療されています。ホルモン療法は、遺伝子検査で陽性の方に使用されます。エストロゲンの分泌を抑え合成や働きを阻害する薬です。抗がん剤は、あらゆるタイプの乳がんに使用できます。10種類位の薬のなかから2種類~3種類の組み合わせで使用されます。分子標的薬は、ハーセプチン、タイケルプ、アバスチンの3薬が現在使用されています。新薬のデノスマブ(denosumab)がもうすぐ承認される予定です。

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