「がんになると栄養は取らない方がよい」「栄養を取ると、がんが元気になってしまうから」という話をよく聞きます。これは、根拠もエビデンスもありません。
確かにがんは栄養をエネルギーとしますが、がんに打ち勝つためには、がんに奪われた栄養を補給することは欠かせません。偏った栄養素だけを補うのではなく、3大栄養素といわれる炭水化物、脂質、タンパク質にビタミンとミネラルを加えた栄養素が、がん治療を支える栄養療法として最近注目されています。5大栄養素は健康な時には食卓の食事から摂取できている栄養素ばかりです。
がん細胞は体内の筋肉や脂肪を分解して栄養源としているため体に大きな負担となり、体重や筋肉量が減少し体力が低下してしまいます。この状態をがん悪液質といいます。がん治療を適切に継続するためには5大栄養素をバランスよく摂取し、筋肉量を減らさないことが重要です。