がんに対する新たな可能性『低分子化フコイダンCG』
がんに対する三大作用を中心に九州大学で基礎研究が続いている低分子化フコイダンの新たな研究成果が第73回日本癌学会学術総会で発表されました。
低分子化フコイダンCGの誕生
-はじめに-
低分子化フコイダンのがん細胞に対する三大作用(アポトーシス誘導作用・血管新生抑制作用・免疫力強化作用)が九州大学の研究から明らかとなっております。
三大作用を要約すると、低分子化フコイダンはがん細胞をアポトーシス(自然死)に導いてくれ、さらにがん細胞が栄養を取り入れるために新たに専用の血管を作ることを抑制し、患者さん自身の免疫力を高めるというものです。
一般的に抗がん剤は正常細胞も攻撃してしまいますが、低分子化フコイダンはがん細胞へ特異的に働きかけます。さらに正常細胞の機能を強化していくということも、これまでの基礎研究で解ってきています。
一方のナタマメ(Canavalia gladiata、通称CG)由来抽出物にも培養がん細胞に対して細胞死誘導作用等を呈することが報告されています。
※引用文献1,2
これらの背景情報から両者を併用することで抗がん作用においての相乗効果が期待できると考え開発されたのが、低分子化フコイダンとナタマメエキスを混合した低分子化フコイダンCGです。
なぜナタマメエキスなのか
九州大学では、これまでも様々なレクチンを用いてフコイダン処理を施したがん細胞の細胞表面糖鎖がどう変化するかを調べていました。
その中で、コンカナバリンA(通称Con-A)というレクチンだけが、非常に強力にフコイダン処理後のがん細胞の細胞死を誘導することが解りました。
このCon-Aは唯一ナタマメだけに含まれる特有の成分です。
Con-Aの効果によって細胞死が起きているのかを実験したところ、Con-Aのみではわずかな細胞死を誘導するに留まりました。
すなわち、低分子化フコイダンとCon-Aを混合することで大きな相乗効果に繋がることが解ったのです。
低分子化フコイダン+CG(Con-A)の相乗効果
九州大学の基礎研究では、すでにがん細胞に対しての効果が明らかとなっている低分子化フコイダン単独ならびにナタマメエキスを添加した低分子化フコイダンCGががん細胞や正常細胞に及ぼす効果や影響についての様々な比較実験を行っております。
実験1:低分子化フコイダン単独よりもより顕著な効果を発揮する低分子化フコイダンCG
HT1080(がん細胞)に低分子化フコイダン単独と低分子化フコイダンにナタマメエキスを加えた低分子化フコイダンCGで、どちらがより細胞死を導くかを比較する実験を行いました。
その際に低分子化フコイダンの濃度を変え、その変化も同時に確認しました。
【結果】
低分子化フコイダン単独よりも低分子化フコイダンにナタマメエキスを添加した低分子化フコイダンCGの方が、より細胞死を導くことが解りました。さらに、ナタマメが持つCon-Aの効果によって細胞死が起きているのかを実験で確認したところ、Con-Aだけではわずかな細胞死を誘導するに留まりました。
このことから、この細胞死誘導効果は低分子化フコイダンとナタマメエキスとの相乗効果であることが解りました。
この研究は2013年2月に「ガン細胞表面の糖鎖構造の変化を誘導するためのキット」として特許登録されました。
(特許:第5201499)
実験2:低分子化フコイダンCGは正常細胞にはダメージを与えず、がん細胞にだけ効果を発揮する
この実験では、低分子化フコイダン単独と低分子化フコイダンCGの細胞死誘導効果について、HT1080(がん細胞)とTIG-1(正常細胞)について比較実験を行いました。
【がん細胞に対する細胞死誘導効果について】
【結果】
低分子化フコイダン単独ではHT1080(がん細胞)の細胞死誘導効果は容量依存的に強くなることが解ります。ナタマメエキスを加えた低分子化フコイダンCGでは、その効果がより強く現れ、5%添加では顕著に細胞死を誘導することが解りました。
【正常細胞に対する細胞死誘導効果について】
【結果】
一方、TIG-1(正常細胞)では低分子化フコイダン単独はもちろん、ナタマメエキスを加えた低分子化フコイダンCGにおいても細胞死を誘導しないことが解りました。
ナタマメエキスを添加した低分子化フコイダンCGも正常細胞にはダメージを与えず、がん細胞にだけ細胞死を誘導します。
このことは、2014年9月に行われた第73回日本癌学会学術総会でも「酵素消化低分子化フコイダン抽出物とナタマメ抽出物との併用による抗腫瘍作用増強効果」として発表されました。
実験3:低分子化フコイダン単独よりも低分子化フコイダンCGは約2倍の効果を発揮
低分子化フコイダン単独とナタマメエキス添加の低分子化フコイダンCGとの効果の差を測定するため、HT1080細胞(がん細胞)においてIC50(50%阻害濃度)を算出する実験を行いました。
【結果】
低分子化フコイダン単独のIC50が6.1%、低分子化フコイダンCGのIC50が3.0%となったことから、ナタマメエキスを添加した低分子化フコイダンCGは低分子化フコイダン単独の約2倍の効果を有すると考えられます。
■NIH:OVCAR-3(卵巣がん由来の細胞)でも1.6倍の効果を検証
ナタマメエキス添加の低分子化フコイダンCGはNIH:OVCAR-3(卵巣がん由来の細胞株)でも細胞死誘導効果は容量依存的に強くなりますが、ナタマメエキス5%添加ではより強く細胞死を誘導することが解りました。
また、NIH:OVCAR-3(卵巣がん由来細胞株)においてもIC50(50%阻害濃度)を算出する実験を行い、ナタマメエキス添加の低分子化フコイダンCGと低分子化フコイダン単独での効果比較実験を行いました。
【結果】
低分子化フコイダン単独のIC50が6.0%、そしてナタマメエキス添加の低分子化フコイダンCGのIC50は3.7%でした。このことから、低分子化フコイダンCGは低分子化フコイダン単独の約1.6倍の効果を有すると考えられます。
低分子化フコイダンCGは副作用なく、低分子化フコイダン単独の1.6倍から2倍の抗がん効果を発揮すると考えられます。
低分子化フコイダンCGのがんに対する新たな可能性
以前からナタマメに含まれるCon-A自体に抗腫瘍効果があることは研究されている照屋輝一郎先生なども認識はされていました。
そして数々の実験を重ね、偶然的に合わせられたCon-Aによって低分子化フコイダンのアポトーシス誘導作用が強められたと考えられます。
すでに特許(第5201499)を取得してはおりますが、今後さらなる研究を深め低分子化フコイダンCGのメカニズムを解明していく中で、がん治療の永遠の課題ともいえる正常細胞にダメージを与えずにがん細胞だけを死滅させる“パーフェクトながん治療”への新しい光が見出せるのではないかという強い気持ちを持ち、研究者である照屋輝一郎助教を中心に現在も基礎研究が続けられております。
※引用文献
文献1:Yau T, Dan X, Ng CC, Ng TB. Lectins with potential for anti-cancer therapy. Molecules. 2015 Feb 26;20(3):3791-810.
文献2:Liu Z, Luo Y, Zhou TT, Zhang WZ. Could plant lectins become promising anti-tumour drugs for causing autophagic cell death? Cell Prolif. 2013 Oct;46(5):509-15.
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