フコイダンを低分子化する理由は体内へ効率良く吸収するためと、腫瘍の増殖抑制効果です。
人体が十分に吸収できる分子量は3,000分子以下とされます。元々の分子量が20~80万であるフコイダンは、そのままでは十分に吸収できずに体外へ排出されてしまいます。
そこで、特殊な酵素で500分子以下にまでフコイダンを低分子化したものが、低分子化フコイダンです。
フコイダンの低分子化による効果
(1)低分子化フコイダンと高分子フコイダンの腫瘍増殖抑制効果
【実験方法】
大腸がんの細胞を接種したマウスに高分子フコイダンと低分子化フコイダンを混ぜた餌を与え、大腸がん細胞移植後のマウスの生存日数を調べました。
【結果】
高分子フコイダンは、初期の段階で腫瘍が大きくなるのを防ぐことはわかりましたが、全体的に強い腫瘍抑制効果は認められませんでした。
一方の低分子化フコイダンに関しては、腫瘍の増殖抑制効果が継続的に認められました。
生存日数においても、はっきりとした延命効果が認められます。
(2)がん細胞に対するアポトーシス誘導効果
【実験方法】
低分子化フコイダンをがん細胞の一種であるヒトの白血病細胞(HL-60)に加え、細胞数の変化を調べました。
【結果】
上記グラフのように低分子化フコイダンを加えたがん細胞は増殖せず、減少していくことが確認されました。低分子化フコイダンを加えていない方は、がん細胞の増殖が認められます。
このことから、低分子化フコイダンはアポトーシスを誘導していることがわかりました。
(3)正常細胞にはダメージを与えない
【実験方法】
正常細胞(TIG-1)とがん細胞に対し、低分子化フコイダンを加えてアポトーシス誘導を観察しました。細胞がアポトーシスを起こすとDNA量が減少します。そこで、レーザー光線を細胞に当て、フローサイトメトリーというDNA量を測定する装置を使い、アポトーシスの有無を調べました。
【結果】
正常細胞に低分子化フコイダンを加えてもアポトーシスはまったく起こさないことがわかりました。このことから、正常細胞への若干の抑制効果がみられるものの、がん細胞と比較した場合には毒性の弱いものとなっています。
また、細胞全般にダメージを与える抗がん剤のような副作用は起こりません。
(4)VEGF(血管内皮細胞増殖因子)の抑制効果
【実験方法】
がん細胞は増殖するために栄養を確保しようと血管を伸ばすという特徴を持っています。
この血管新生は、がん細胞が血管の成長を促進するVEGF(血管内皮細胞増殖因子)を分泌することによって起こります。
そこで、子宮がんHeLa細胞(以下、子宮がん細胞)に0.01mg/mlの低分子化フコイダンを加えて、VEGFの量を調べました。
【結果】
低分子化フコイダンを加えたものと加えていないものを比べると、加えたものの方が有意にVEGFの発現を抑えていることがわかりました。さらに、低分子化フコイダンはVEGFの抑制だけでなく、血管の形成を抑制することもわかっています。
この研究結果は、「海藻モズクCladosiphonnovae-caledoniae kyline由来の酵素消化フコイダン抽出物は、腫瘍細胞の浸潤及び血管新生を阻害する」と題した論文にまとめられ、国際学術雑誌『Cytotechnology』に発表されています。
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