卵巣がん、卵管がん、腹膜がんの治療を行うためには、まずは確定診断の必要があります。
卵巣がん、卵管がんはさらに組織型に分類され、がんの性質によって治療方法も異なります。
また、良性腫瘍との鑑別が難しいため、開腹手術で腫瘍を摘出し、顕微鏡で調べる病理検査で診断が確定されます。
卵巣がん、卵管がん、腹膜がんの組織型
■卵巣がんの組織型
卵巣がんは発生する組織によって「上皮性腫瘍」、「胚細胞腫瘍」、「性索間質性腫瘍」の3つに大別されます。
その中でも上皮性腫瘍が約90%と、非常に高い割合を占めます。
上皮性腫瘍はさらに細かく分類され、日本における割合は漿液性がんが33.2%、明細胞がんが24.4%、類内膜がんが16.6%、粘液性がんが9.1%、その他のがん(悪性ブレンナー腫瘍、漿液粘液性がん、未分化がん)が16.7%となっています。
最も割合の多い漿液性がんは高異型度漿液性がん(HGSC)と低異型度漿液性がん(LGSC)に分けられ、HGSCが圧倒的多数を占めます。
HGSCの多くは進行した状態で発見されることが多く、化学療法薬剤感受性は高いが再発頻度が高く、予後不良といわれています。
明細胞がんは約半数が1期で発見され進行例は少ないが、化学療法薬剤感受性が低く、進行期の場合は治療が難しくなります。
類内膜がんの多くは低異型度で進行した状態で、進行した状態で発見されることは少ないです。
明細胞がんや類内膜がんは子宮内膜症を発生母地とすることが多いことも明らかになっています。
粘液性がんは、粘液性腺腫から悪性と良性の中間的な性質を持つ境界性悪性腫瘍を経て、がんに進展するとも考えられています。
粘液性がんは高頻度でKRAS変異がみられ、化学療法薬剤感受性が低いといわれます。
■卵管がんと腹膜がんの組織型
卵管がんの大部分は高異型度漿液性がん(HGSC)です。
また、腹膜がんもほとんどがHGSCで卵巣や卵管が原発と考えられる例が多く、近年はHGSCの原発巣決定の基準が提案され、卵巣および卵管の詳細な組織学的検索において、卵巣・卵管に原発巣を考えられる病変がない場合のみ腹膜原発とすることが主流となりつつあります。
確定診断までの検査
卵巣がん、卵管がん、腹膜がんが疑われる場合、血液検査や画像検査、病理検査などの様々な検査が行われます。
(1)診察
腹部の触診や膣から指を入れて子宮や膣、卵巣を診る内診、直腸やその周囲の状態を肛門から指を入れて診る直腸診が行われます。
(2)エコー(超音波)検査
体の表面に超音波をあてて、臓器から返ってくる反射の様子を画像化する検査です。
腫瘍の性質や状態、大きさ、腫瘍と周囲の臓器の位置関係を調べられます。
(3)腫瘍マーカー検査(血液検査)
腫瘍マーカーとは、がん細胞などによって特徴的に作られるタンパク質などの物質です。腫瘍マーカーはがんの種類によって異なり、卵巣がん・卵管がんではCA125が代表的なマーカーとなります。腫瘍マーカーが高値を示すからがんと確定するのではなく、あくまで診断の補助を目的として行われます。CA125以外にCA19-9、CEAも調べることもあります。
(4)CT検査
卵巣がん・卵管がんのリンパ節に転移や遠隔転移の有無を調べます。
(5)MRI検査
MRI検査では腫瘍と周囲の臓器との位置関係、腹水や胸水の有無、リンパ節が腫れていないか、腫瘍内部の状態など細かく調べて、がんかどうかを推測します。
(6)病理検査(細胞診、組織診)
良性腫瘍との鑑別が難しいため、開腹手術を行っておなかの状態を詳しく観察し、切除した組織を顕微鏡で調べます。病理検査で腫瘍が良性・境界悪性・悪性であるかの判定や組織型が確定します。
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