精巣がんの発症率は男性の悪性腫瘍の1パーセント前後で、かなり珍しいがんです。同じ男性生殖器のがんでも中年期以降に多発する前立腺がんと違い、精巣がんは性ホルモンの活性化とともに発症率が上昇し始めます。下は乳児期から性ホルモンの分泌の最もさかんな思春期を経て、上は30歳代までを発症のピークとし、15~35歳までの男性では最も頻度の高いがんとなっています。ほとんどの場合、左右2つの精巣のうちの一方にのみ発生し、2つ同時にあるいは一方から他方へと広がる例は、全体の2~3%しかありません。
精巣がんの大半(95%)は精母細胞、つまり精子のもとになる細胞から生じます。精母細胞は、子宮の中で胎児の「芽」である胚が発生する際に、その初期段階からすでに体の他の部分を作る体細胞とは完全に分離してつくられます。そして胚が胎児となって成長する間も、精母細胞はそのままの状態を維持します精母細胞のように、精子や卵子のもとになる細胞を「胚細胞」といい、胚細胞から生じた腫瘍を総称して「胚細胞腫瘍」と呼ばれています。胚細胞腫瘍は、顕微鏡で観察したときの組織の違いによってさらに2種類、すなわち「セミノーマ(精上皮腫)」と「非セミノーマ(非精上皮腫)」に分けられます。
セミノーマ
セミノーマは、肺細胞腫瘍の約40%を占めています。これはさらに、胚細胞がしだいに成熟(分化)していく過程のどの時点でがん細胞に変わったかによって。「未分化セミノーマ」そして「精母細胞性セミノーマ」に分かれます。他のがんと同じく、細胞成熟度(分化度)が低いほど悪性で浸潤性が高く、分化が進むにしたがって転移は起こりにくくなります。なお、セミノーマの85%は標準型とみられています。
非セミノーマ
他方、胚細胞腫瘍の60%は非セミノーマに属します。ちなみにセミノーマ型の腫瘍細胞の中に他の方の腫瘍が1種類でも混じっている場合には、非セミノーマに分類されます。非セミノーマはさらに腫瘍細胞の種類によって、「胎児性がん」「卵黄脳腫瘍」「絨毛がん」「奇形腫」「多胎芽腫」などに分けられます。いずれも、セミノーマに比べて悪性度が高いとされています。精巣がんの治療法はセミノーマと非セミノーマでは異なるので、精巣がんの患者にとってこの分類は重要です。
精巣(睾丸)がんの治療方法
精巣がんの治療は、がんの組織(セミノーマか非セミノーマ科)、進行状態(病期)、治療に対する効果判定によって決まります。病期にかかわらず、精巣がんの初期の治療は、手術による精巣の摘出です。
ステージ1の治療
ステージ1の患者の場合、精巣摘出術後の5年生存率は現在では97~100%とされ、ほぼ完全な治癒を見込むことができます。しかし、10~20%の確率で転移が生じるため、手術後に予防的治療を行うことも少なくありません。
セミノーマの場合
外科治療 摘出術
放射線治療
非セミノーマの場合
外科治療 摘出術
経過観察
ステージ2の治療
セミノーマに対しては放射線照射と抗がん剤がよく効きます。そこで2期のセミノーマの患者には、精巣の摘出術に続いて腹部への放射線治療を行ないます。さらに化学療法(抗がん剤治療)を併用することもあります。
セミノーマの場合
放射線治療
抗がん剤治療
非セミノーマの場合
外科治療 摘出術
抗がん剤治療
ステージ2後期以降の治療
2期の後期以降のセミノーマに対しては、精巣を切除した後に全身化学療法(抗がん剤治療)を行ないます。化学療法(抗がん剤治療)に対しても、非セミノーマよりセミノーマの方が感受性(治療効果)がずっと高いとされています。それでも精巣がんは一般に、抗がん剤が最もよく効くがんの一つです。
《精巣がんの化学療法について》
化学療法とは、抗がん剤を投与してがんを殺す治療法です。
精巣がんは抗がん剤の効果が最も高いので、ほとんどの治療に抗がん剤治療を行ないますが、抗がん剤治療には吐き気・嘔吐・脱毛など様々な副作用が伴います。西洋医学を柱として、代替医療を取り入れる選択肢もあります。
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