胆管がん

胆管とは、肝臓で作られた胆汁を十二指腸まで流すための管で、胆管が肝臓から出たところから始まり、十二指腸にある胆管開口部までを指します。一般に肝臓外にできたものを胆道がん、肝臓内にできたものを肝内胆管がんと区別します。胆道がんは、さらに胆管がん、胆嚢がん、乳頭部がんに分けられます。つまり、胆管がんとは肝外胆管に発生した悪性腫瘍の事を指します。

また、肝外胆管の肝門部(肝臓の入り口)に出来た腫瘍を肝門部胆管がん、肝門部から胆嚢までの上部に出来た腫瘍を上部胆管がん、胆嚢から膵臓までの中部に出来た腫瘍を中部胆管がん、膵臓から十二指腸乳頭部に出来た腫瘍を下部胆管がんと分類されます。肝内胆管がんは肝内胆管の2次分枝より末梢側に発生する胆管がんと定義され、現状では肝臓がん取扱い規約で扱われています。

胆管がんの5年生存率は病期(ステージ)と発生部位や全身状態により異なりますが肝門部、上部胆管がんでは1期約70%、2期約44%、3期約30%、4a期約22%、4b期約7%です。中下部胆管がんでは1期約60%、2期約39%、3期約33%、4a期約30%、4b期約10%です。乳頭部がんでは1期約83%、2期約67%、3期約50%、4a期約34%、4b期約4%です。

胆管がんのTNM分類と病期(ステージ)分類

胆管がんでは、原発腫瘍の大きさ、深達度(T:primary Tumor)、リンパ節転移の有無(N:regional lymph Nodes)、他の臓器への転移の有無(M:distant Metastasis)で病期(ステージ)が決まります。これをTNM分類といいます。発生部位や病気の進み方、全身状態、年齢、既往歴なども総合的に検討して治療方針を選択します。

胆管がんのTNM分類

T:原発腫瘍(T:primary Tumor)》

原発腫瘍の広がり(深達度など)
TX原発腫瘍の評価不能
T0原発腫瘍を認めない
Tis上皮内がん
T1胆管壁に限局
T2胆管壁を超えて浸潤
T3肝臓、胆嚢、膵臓、または門脈か肝動脈の片側支流に浸潤
T4門脈、総肝動脈、隣接臓器のいずれかに浸潤

N:所属リンパ節(regional lymph Nodes)》

がん細胞のリンパ節への転移の有無と広がり
NX所属リンパ節転移の評価が不可能
N0所属リンパ節転移なし
N1所属リンパ節転移あり

M:遠隔転移(distant Metastasis)》

原発から離れた臓器への遠隔転移
MX遠隔転移の評価が不可能
M0遠隔転移なし
M1遠隔転移あり

胆管がんの病期(ステージ)分類

ステージ進行度
ステージ1がんが胆道壁内にとどまり、転移がない。
ステージ2がんが胆道壁外にわずかに浸潤しているか、近くのリンパ節に転移がある。
ステージ3がんが胆道の近くの臓器へ浸潤しているか、比較的遠くのリンパ節に転移がある。
ステージ4aがんが胆道の近くの臓器へ浸潤しているか、比較的遠くのリンパ節に転移がある。
ステージ4bがんが近くの臓器へ浸潤しているか、遠くのリンパ節や臓器に転移がある。

胆管がんの治療方法

胆管がんの治療法としては、現在、手術、化学療法、放射線治療があります。現在、治癒が望める可能性が一番高いのは手術になります。 また、がんが胆管周囲や肝臓内へ広く及んでいて外科手術が不能の場合は、抗がん剤治療や体外あるいは胆管内からの放射線治療などを行います。

外科手術

外科手術がもっとも根治性の高い治療法です。 胆管がんに対する外科的な手術方法は、胆管が肝臓の中から膵臓、十二指腸にまでおよぶ管という特徴から、がんが発生した部位によってさまざまです。

上部胆管がんでは、肝臓も含めた広範囲な切除が必要とされます。中部から下部胆管がんでは、下部胆管が膵臓と接していることから膵臓、十二指腸、場合によっては胃の一部までの膵頭十二指腸切除を含めた手術が必要となります。また、動脈浸潤がある場合には動脈再建や肝動脈のバイパス手術を行う場合もあります。

化学療法

化学療法とは抗がん剤による治療のことで、広い範囲のがん細胞を攻撃する治療法です。 がんの進行度や全身状態によって、手術ができない場合や術後に抗がん剤治療が行われます。抗がん剤はジェムザール+シスプラチンの併用療法が、2012年から標準治療として用いられています。ジェムザール、TS-1の単剤、もしくはジェムザール+TS-1の併用も行われています。

胆管がんは外科切除が第一選択肢ですが、進行例は非切除となる症例が多く、外科手術以外の抗がん剤治療や放射線治療などを組み合わせた集学的治療の役割が近年増大しています。胆管がんに対する抗がん剤はジェムザール、シスプラチン、TS-1と少なく、更に有効な薬剤の開発が必要とされています。

胆管がんにおいてもEGFRの発現が増強しているとの報告から、肺がんや膵臓がんで承認されているEGFR阻害剤(分子標的薬)のタルセバを用いた臨床試験が行われています。現状では、手術ができない場合は一次治療として抗がん剤治療を行うしか、他の選択肢は今のところありません。

放射線療法

手術が不可能で遠隔転移のない場合、がんの進行抑制を目的として放射線治療を行う場合があります。有効性については不明確なところもあり標準治療になっていません。がんの進行が局所にとどまっている場合に、抗がん剤と併用して放射腺治療を行うことがありますが、その効果は限定的です。また、骨転移による疼痛緩和の目的で行われる場合もあります。

胆道ドレナージ

胆管がんでは、黄疸などの症状が強く出ることが多く、手術や化学療法の前などに黄疸の治療が行われます。黄疸の治療は2種類あります。

1つは、おなかの皮膚に針を刺し、肝臓を通して胆管にチューブを入れ、胆汁を体の外に出す外ろうドレナージです。もう1つは、プラスチックチューブや金属製のステントを内視鏡を使って胆管に埋め込む内ろうドレナージです。黄疸が改善したら、ドレナージをしながら抗がん剤による治療を行う場合もあります。 ドレナージチューブはプラスチック製のものと金属製のものがあります。

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