中咽頭がん
中咽頭には、発生する細胞の由来や組織によっていくつかの組織型がみられます。組織型としては、中咽頭がんの中で発生率が最も高い扁平上皮がんの他、粘膜下の付属腺から発生する腺がん、悪性リンパ腫などがあります。 最近は、中咽頭がんにおいてもHPV(ヒトパピローマウイルス)の関与が指摘されはじめており、欧米では多くの報告も出てきています。日本でも20%程度の発症を示唆する報告もあります。
中咽頭がんは組織型、病期(ステージ)と全身状態により異なりますが、5年生存率はおよそ1期:約92%、2期:約90%、3期:約83%、4期:約58%です。
中咽頭がんでは、原発腫瘍の大きさ(T:primary Tumor)、リンパ節転移の有無(N:regional lymph Nodes)、他臓器への転移の有無(M:distant Metastasis)で病期(ステージ)が決まります。これをTNM分類といいます。組織型や病気の進み方、全身状態、年齢、など総合的に検討して治療方針を選択します。
中咽頭がんの病期分類(ステージ)
0期 | がんの原発巣が上皮内にとどまる極早期。 |
1期 | がんが原発巣にとどまり、大きさは2cm以下で、リンパ節や他の臓器に転移を認めない。 |
2期 | がんが原発巣にとどまり、大きさは2cmを超えるが4cm以下で、リンパ節や他の臓器に転移を認めない。 |
3期 | がんが4cm以下で、同側の頸部に3cm以下のリンパ節転移が1個のみ認められる場合。がんが4cmを超えるが6cm以下で頸部リンパ節転移がないかあるいは同側の頸部に3cm以下のリンパ節転移が1個のみ認められる。 |
4a期 | 原発巣が喉頭などへ浸潤しない状態で、同側に単発で3cmより大きく6cm以下のリンパ節転移、同側に6cm以下の複数のリンパ節転移、あるいは対側や両側に6cm以下のリンパ節転移を認める段階。がん原発巣が舌深層の筋肉、喉頭、硬口蓋、内側翼突筋、下顎骨のいずれかに浸潤した状態で、6cmより大きいリンパ節転移を認めない。 |
4b期 | リンパ節転移の状態とは関係なく、がん原発巣が翼状突起、上咽頭側壁、外側翼突筋、頭蓋底のいずれかに浸潤、または頚動脈を全周性に取り囲む段階。がん原発巣の状態とは関係なく、6cmより大きなリンパ節転移を認める。 |
4c期 | がんが肝臓や肺など他の部位に転移している。 |
中咽頭がんの治療
■外科手術
下咽頭がんでは、全ての病期で手術が標準的な治療法です。主に下咽頭にできたがんや、頸部リンパ節を切除するために行われます。がんの手術では、下咽頭に限らず、がんを正常組織で包み込むように余裕を持って切り取るのが大原則です。下咽頭がんには患者さんの状況に合わせて、以下の術式が行われています。
■放射線療法
放射線療法は、X線や他の高エネルギーの放射線を使ってがん細胞を殺したりその増殖を阻止したりする治療法です。放射線療法の実施方法は、がんの病期によって異なります。また、術後の追加治療として放射線療法を施行する場合があります。通常、30回程度に分けて照射を行います。
■化学療法
化学療法とは抗がん剤による治療のことで、広い範囲のがん細胞を攻撃する治療法です。 中咽頭がんに対しては、抗がん剤治療が単独で行われることはほとんどありません。放射線療法と組み合わせることによって、治癒率の向上をめざします。
抗がん剤の副作用
一般的に抗がん剤は、細胞が分裂・増殖する過程に働きかけて、細胞の増殖を抑えます。がん細胞は活発に分裂・増殖している細胞なので、抗がん剤の効果が期待されます。しかし、腸の細胞や髪の毛を造る細胞、血液を造る細胞なども活発に分裂・増殖しているため、影響を受けやすく、脱毛などの様々な副作用があらわれます。
抗がん剤の副作用軽減は薬剤耐性の克服
理論上100%効果があるはずの抗がん剤が効かない最大の理由はがん細胞が増殖するに従って遺伝子の蓄積が起こってくるためだと考えられています。特定の抗がん剤の攻撃を受けたがん細胞は自己防衛本能によって進化します。その進化した遺伝子が抗がん剤に耐性を獲得して、それまで効いていた抗がん剤が効かなくなり、副作用も強くなってしまいます。こうした薬剤耐性の克服は大きな課題となっていますが、現時点で西洋医学には抑制できる薬はまだありません。
薬剤耐性の克服とQOL(生活の質)の向上を目指して
がん治療において現代医学を補完する目的で九州大学大学院の白畑教授と吉田医院の吉田院長が共同研究で取り組んでいる酵素消化低分子化フコイダンが、改善が難しい2期以降のがんにおいても驚く結果が数多く確認されています。酵素消化低分子化フコイダンを用いたフコイダン療法は現代医学の向上に欠かせない統合医療として注目されています。
統合医療におけるフコイダン療法
統合医療とは、二つの療法を統合することによって両者の特性を最大限に活かし、治療をしようという考えのことです。最先端の医学である西洋医学のデメリットや欠点を補い西洋医学がより効果を発揮しやすいように環境整備をするのがフコイダン療法です。
抗がん剤と酵素消化低分子化フコイダンを用いたフコイダン療法は、技術改革が進む先端医療をはじめとした近代西洋医学と酵素消化低分子化フコイダンが融合するハイブリッドな医療です。
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