肝癌の新しい治療指針 -内科でどこまで-
2月23日兵庫医科大学の市民健康講座に参加して参りました。
肝癌の予防、早期発見、治療、再発予防について下村先生のお話でした。近年、脂肪肝から肝硬変になり肝癌に進行する人の割合が増えているそうです。早期発見には、血液検査、エコー、CTで総合的に診ることが重要です。腫瘍マーカーも必要ですが、2センチの大きさで1個の腫瘍を発見できる 確立は30パーセント位のようです。
治療は、肝切除、ラジオ波焼灼療法(RFA)肝動脈塞栓術(TACE)化学療法(肝動注療法、分子標的薬)の中から一番適している治療が選ばれます。全てにおいて重要とされるのは、肝臓の元気度(肝障害度)です。チャイルド分類と言われる分類法で腹水や血清ビリルビン値など、5項目でポイントを加算してその合計点でA-5点~6点、B-7点~9点、C-10点~15点で分類されます。それと腫瘍の大きさ、数で治療方法が決められそうです。
ラジオ波焼灼療法は、部分麻酔とかるい全身麻酔をしてから皮膚側からボールペンの芯より少し細い専用の針を腫瘍に直接刺して熱で焼く治療です。血管や胆嚢の近くは難しい場合もあるようですが通常一週間位の入院で行われ焼けた部分は8ヶ月位かけて再生するそうです。又、肝動脈塞栓療法を施行し効果を評価してからラジオ波焼灼療法を追加する場合もあるそうです。
肝癌の予防には、ウイルスに感染しない、食生活や睡眠に気を配る、適度な運動、アルコールの摂りすぎや喫煙をしないことを心がけましょう。又、豆から挽いたコーヒーも1日に3杯以上飲むと予防効果が高いそうです。