大阪大学医学部付属病院 市民公開フォーラム

がんの予防と早期診断 ~がんを早く見つけるために~

12月1日大阪大学医学部付属病院の市民公開フォーラムに参加して参りました。
初めに大阪府立成人病センターがん予防情報センター疫学予防課の中山富雄先生のがんの検診と早期診断(肺がんを中心に)のお話でした。がんの早期発見は近年よく言われています。早期発見には定期的に健診することが今のところ一番確立が高い早期発見の方法ですが、定期健診にも問題があります。がんの種類によって成長速度がかなり違い、一般的に進行速度の遅い大腸がんや胃がん(スキルスを除く)、子宮頸がん、乳がんはがん細胞として早期に発見されます。

しかし、白血病や悪性リンパ腫、一部の肺がんは進行速度が速い為に定期的な検診では早期に発見できないことがあります。

大阪府全体の男性の罹患率1位は胃がんの18.3%で肺がんは17.9%です。女性の1位は乳がん17.6%、2位大腸がん14.8%、3位胃がん12.3%、4位肺がん11.0%です。しかし、がんで死亡した人にしめる各がんの割合は、男性の1位は肺がんの22.6%、2位は胃がんで17.0%、女性の1位も肺がんの13.4%で2位は胃がんの13.0%となっています。

EU(ヨーロツパ)では、肺がんに占める本人の喫煙が原因の割合は男女とも92%といわれます。しかし日本を含む東アジアでは、喫煙が原因の割合は男性67%、女性15%です。日本人の場合、間接喫煙の可能性もありますが、タバコを吸わない人も肺がんになります。

肺がんの早期発見には胸部単純X線が一般的な検診で多く行われますが、胸部単純X線には死角があり特に肺の下葉に腫瘍がある場合、心臓や胃、肝臓など他の臓器も同時に写り隠れているために見落とすことがあります。肺がん検診は限界がある胸部単純X線よりも低線量CTがお勧めされます。


 

次に、大阪大学医学系研究科器官制御外科学講座(産科学婦人科学)の藤田征巳先生の子宮がん検診とHPVワクチンのお話でした。

日本では、婦人科の代表的な悪性腫瘍は子宮頸がんであり子宮体がんという診断名は1983年までありませんでした。それまで子宮がんは一般的に子宮頸がんを指していました。その後子宮体がんの頻度は増加し続け最近は子宮頸がんより子宮体がんが増えています。

また、子宮頸がんの罹患年齢別分布にも変化があります。1982年頃のピークは50代~60代でしたが最近は30代~40代にピークがあります。 子宮頸がんの発症因子は発がん性のヒトパピローマウイルス(HPV)感染が子宮頸がんの発症に深く関与することが、臨床的観察や分子生物学的研究から明らかにされています。

HPVは100種類以上が確認され、主に粘膜に感染するタイプのうち15種類ほどが子宮頸がんを引き起こす可能性のある発がん性HPV(ハイリスクタイプのHPV)とされています。発がん性のHPVのうち16型と18型が最も検出頻度の高い発がん性HPVで世界的には約70%の子宮頸がんから検出されています。

子宮頸がんはHPV感染から子宮頸がんに移行するまでには時間がかかります。細胞の異形成(がんになる前の状態)で見つかれば子宮頸がんにならずに治療が可能です。また近年予防ワクチンも使用が可能となり日本では、サーバリックスとガータシルの2種類が承認されています。子宮頸がんは検診が非常に有効で、進行がんを防ぎ死亡を減らす効果が証明されています。多くの先進国ではほぼ例外なく子宮頸部細胞診による検診が行われています。

しかし、日本では検診率が低いままにとどまっています。積極的に子宮頸部細胞診を受けましょう。子宮体がんは病状が進行していない早期の段階で出血をきたすことが多く不正性器出血での発見が約90%とされています。子宮体がんは症状があったら病院を受診することが重要です。

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