先日、九州大学の照屋輝一郎助教による低分子化フコイダンの最新研究報告では、低分子化フコイダンのがん細胞多剤耐性効果とがん幹細胞に対する低分子化フコイダンの効果、そして低分子化フコイダンの表皮角化細胞への効果についての発表がありました。
今回は、最後である低分子化フコイダンの表皮角化細胞への効果についてまとめましたので、ご報告いたします。
低分子化フコイダンの表皮角化細胞への効果
低分子化フコイダンの新たな研究として表皮角化細胞(皮膚)への効果の検証が行われました。
実験では、ヒト表皮角化細胞株HaCaT細胞を用いて低分子化フコイダンが皮膚の細胞へどのような影響を及ぼすかの確認が行われました。
HaCaT細胞に低分子化フコイダンを処理し、細胞の代謝・増殖活性を測定できるWST-1という試薬での実験を行ったところ、顕著な細胞代謝活性の亢進を示しました。
皮膚は基底層→有棘層→顆粒層→角質層というように4つの層状に分かれて配列しています。
表皮の最も内側にある基底層では細胞分裂によって毎日新しいケラチノサイト(角化細胞)が生まれ、新しい細胞に押し出される形で有棘層から最終の角質層へと達し、少しずつ剥離されていきます。
この代謝の営みが一般的にターンオーバーと呼ばれています。
この研究で低分子化フコイダンによる皮膚ターンオーバー促進可能性が示唆されました。
低分子化フコイダンの皮膚に対しての研究はまだ始まったばかりですが、低分子化フコイダンのさらなる応用や、これまでとは違った活用方法の発見に繋がるかもしれません。
そして、今後研究が進み、低分子化フコイダンが皮膚の退社において、どのような作用機序を有するのかが明らかになってきてくれるのではと私たちも期待しています。