抗がん剤などのがん治療中は、「吐きそう」「ムカムカする」などの症状が現れ、ひどい時は嘔吐することもあります。これは、治療の影響で脳の神経が刺激されて起こると考えられていますが、治療に対する不安などの心理的な要因も大きく関係しています。
臭いで吐き気をもよおす人もいれば、胃の不快感が続き、吐き気につながるなどそれぞれ感じ方に個人差があります。また、特に治療の後は吐き気を強く感じる時期があります。多くの場合は、吐き気を抑える制吐剤が主治医から処方されます。我慢をするとQOL(生活の質)も低下してしまうので、我慢せずにすぐ相談するようにしましょう。
吐き気、嘔吐の予防や食事の工夫
一度にたくさんの量を食べるのではなく、食事の回数を増やし、少しずつ食べることで体への負担を減らせます。また、食前に冷たい水でうがいをすると吐き気の軽減に繋がるのでぜひ試してみてください。
冷ましてから食べましょう | 温かいご飯→酢飯→冷ます お粥→冷蔵庫で冷やして冷粥にする 汁物→冷やし汁、とろろ汁 肉・魚→冷しゃぶ、南蛮漬け、マヨネーズ焼き |
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香りの良い香草を混ぜる | ネギ・しそ・生姜などの薬味を混ぜてみる |
高脂肪や繊維の多い食品を控える | 胃の中に食べ物が長くとどまることで、吐き気の原因になることがあります。 |
食事中に水分をとると、胃酸が薄まり消化活動に影響が出てしまいます。水分は一緒にとらずに、食事前や食間にとるようにしましょう。
吐き気、嘔吐があるとき
吐き気や嘔吐の副作用症状が出た場合は、無理をせず食べられる時に食べるようにしましょう。また、水分をとるときはストローを使いゆっくりと飲んでみてください。その際、栄養補給も兼ねてスポーツドリンクを飲むことがお勧めです。
また、塩味のものや酸味のあるものが食べやすく、美味しく感じる方が多いみたいです。
避けた方がよい食べ物 | 揚げ物などの脂っこいもの、高脂質のもの、香辛料を多く使った味の濃いもの、においが強いもの、熱い食べ物 |
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吐き気や嘔吐の副作用は抗がん剤投与直後から現れ、数日続くこともあります。基本的には、症状が出現してから1週間程度でおさまります。その間に、嘔吐で水も飲めない状況が続くと脱水状態になってしまいますので、水分摂取を心がけましょう。長期間、食事や水分摂取に影響が出る場合には、病院で点滴による水分や栄養補給などの治療が行われます。
無理をせず少し工夫をすることで、できることが見つかりQOLの改善につながります。