がん治療中は、「食欲が出ない」「食べてもすぐに吐いてしまう」という悩みから食欲が落ちていきがちです。しかし、食べないということは体中の栄養が失われ体力・免疫力の低下につながってしまいます。無理に食べることは良いことではありませんが、食事に対しての意識を少しプラスに変えるだけで、食事への関心が高まります。
食事を楽しむこと=がんと闘うための治療の1つと考えましょう。
楽しく食べる8ヶ条 |
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1、食べたいものを選ぶ |
2、食べたいときに食べる |
3、「量より質」 |
4、市販のものを活用する |
5、作る手抜きは体力温存だと思う |
6、辛い時期は一時期と考える |
7、「これだけ食べた」と、良い方向に考える |
8、日頃の口腔ケアで美味しく食べる準備をする |
楽しく食べる8ヶ条はがん治療中だけでなく、体力が落ちている人や夏バテなどで食欲がない人にも活用できるので、覚えておくようにしましょう。
食事を楽しむために知っておくべきこと
■食事は大切、でもあまり神経質になり過ぎない
体力の維持や、栄養素が不足しないように食事を摂ることは大切なことです。しかし、「がんばって食べよう」と思うことで食べることがつらくなることもあります。病気になると、不安や心配、生活環境の変化や副作用などのさまざまな要因で食欲は低下します。そんな時は、焦らずに食べられるものから食べるようにすることが大切です。食べることがストレスにならないように、その時の状況に応じて食べることを楽しめるようにしましょう。
■ゆっくり時間をかけて
話したり、音楽を聴いたりして時間をかけて食べましょう。消化吸収もよくなり食欲も増進されます。
■彩りよく盛り付けて楽しさを演出
テーブルクロスや器の柄や色も食欲を増す効果があります。料理の付け合せに色鮮やかな野菜などを添えてみましょう。可能であれば、テーブルに花を飾るのも良いかもしれません。
■場所を変えて気分転換
体調が許せば、公園などの自然に囲まれた場所でお弁当を食べたり、レストランで外食するのも良い気分転換になります。食べること以外の楽しみをプラスしてみましょう。
■食べきれた達成感
多く盛られた食事を残すことで食べられないことに不安を感じることがあります。むしろ、少ない量でも食べきれた達成感が、食への意欲を引き出してくれたりします。器も小さいものを用意して控えめに盛り付けするようにしましょう。
■食べ物に対しての思い込みは持たない
がん治療中は抗がん剤等の副作用の影響で、以前好きだったものが急に苦手になることもあります。反対に、昨日食べられなかったものが次の日になると美味しく食べられるということもあるのです。「前に食べられなかったから、絶対に食べない!」ではなく、「意外と食べてみたら美味しいかも?」と挑戦してみてください。美味しく感じられた時は、大きな喜びにも繋がります。
がん治療中の栄養補給はとても大切なことです。しかし、無理をしてしまうと食欲不振を悪化してしまう原因にもなりかねません。その日の体調と相談しながら、無理せずまずは楽しむことが第一です。どのように工夫してよいのか分からない場合は、栄養士さんに相談してみるのも手段の1つです。焦る必要はありません。ストレスなく食事をとれる環境をゆっくり整えていきましょう。